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Q&A

Q&A 培養土を選ぶポイントは何ですか?

お客様からよくお問い合わせいただく内容について、この場をお借りして少しずつお答えしていきたいと考えております。土づくりに関する技術的なご相談は「土の無料相談」からもお問い合わせいただけます。

良い培養土の条件は何ですか?

土は、植物にとって根を張る「住まい」であり、生長に必要な養分を供給する「食」でもあります。人間にとって必要とされる衣食住のうち二つまでも兼ねる土ですから、その良し悪しは植物にとって死活問題です。

一般的に良い培養土とは、良い土の条件を備えたものと考えてよいでしょう。それでは、良い土とは、いったいどのようなものでしょうか。植物の根は、私たち人間と同じように養分を摂取し、水を摂り、酸素を呼吸しています。これらが支障なく行われるには、土の中にたくさんの隙間があり、水と空気を十分に含んでいる必要があります。それから、必要な養分を含んでいること、植物の生育に適したpH(酸度)であること、有機物や微生物が豊富に含まれていることも重要です。これらの事柄について、それぞれもう少し詳しくお話しましょう。

➀保水性・保肥性の良い土
植物の生育には水と養分が欠かせませんが、これを人の手でリアルタイムに供給しつづけるのは困難です。ですから、いったん土に含ませた水と養分がしばらくは土の中に留まっていることが大切です。これを保水性、保肥性といいます。基本用土に多孔質の材料(ピートモス、ヤシガラ原料、パーライト、バーミキュライトなど)を混ぜ込むことで改善されることが多いです。

②通気性・排水性の良い土
排水性は一見、保水性と矛盾するように思えますが、大切なのは余分な水分は残さないということです。空気の動きは水の浸透と排水に密接に関係しており、排水性の悪い土では根が呼吸することができずに根腐れをおこしてしまいます。根が十分な酸素を吸収するために、土中に一定の空気層を含み、かつ新鮮な空気が供給されることが大切です。通気性・排水性の改善には、やや粗めの赤玉や砂、軽石、モミガラ堆肥などを混ぜ込みます。

③適切なpH(酸度)に保たれた土
日本で栽培する植物には中性~弱酸性(pH6.5~5.5)を好むものが多いので、pH(酸度)が強い酸性やアルカリ性に偏らないように注意する必要があります。一般的に、pHが酸性に偏れば養分の吸収が阻害され、アルカリ性に偏れば微量要素の吸収が阻害されると言われ、どちらも生育不良につながります。ただし、植物によっては酸性やアルカリ性を好むものもあります。

④有機物を豊富に含んでいる土
一般的に、「肥えた土」「肥沃な土」と呼ばれるものは、有機肥料分が多い土のことではなく、有機物や微生物を豊富に含んだ土のことを指すと考えてよいでしょう。有機物自体が肥料として働く効果はあまり期待できませんが、保水性・保肥性を高め、土をやわらかくし、微生物の働きを活性化するなど、植物にとって様々なメリットをもたらします。

⑤安全な土
市販の培養土ではあまり問題はありませんが、長期間使用した土には病原菌や害虫、雑草の種子などが混入されている考えたほうが良いでしょう。これらは植物の生育に悪影響を及ぼす恐れがあるので、再利用の際には注意が必要です。市販の培養土は、これらの条件を満たすようにブレンドされているものが主流ですが、生育に最適なpHや必要とされる肥料分は植物によって異なるため、標記をよく読んで選ぶことが大切です。

良い培養土を選ぶポイントは何ですか?

育てる作物や使う人間によって良い土の条件は異なります。ですが、一般的に多くのお客様に喜ばれる土には共通点があると思っています。

➀らくらく省力!
当然のことかもしれませんが、袋を開封してすぐに使えることが大前提です。通常は、元肥を加える、pHを調整する、他の材料を混ぜるなどの必要はありません。(標準的な栽培方法に基づいて設計されているので、大方の植物に使用することができるでしょう。)

②品質表示がしっかりしている
商品に、(1)適用植物名(2)内容量(3)主な配合原料名(4)肥料配合の有無(5)pH(6)EC(7)製造業者名と連絡先などの標記があり、責任の所在が明らかになっていることを確認しましょう。

③手触りや臭いに問題が無い
物理性(排水性・保水性・通気性など)の良い土は、手のひらでギュっと握りしめるとある程度は固まり、そのかたまりを指先でつつくと容易に崩壊します。湿り気は、握ったときに手のひらに湿り気を感じることができるくらいが目安です。 森林や住宅の縁の下の土のような臭いであれば全く問題ありませんが、刺激臭・異臭や悪臭のするものは避けたほうが無難です。(未熟な堆肥が混入されている可能性があります。)

④重量感を確認
一般的に、畑作物や草花の生育に適した土の比重は0.4~0.6程度だと思います。容積1リットルあたりなら400~600g程度が目安です。軽すぎる土では植物の株が安定しませんし、重すぎる土は作業性が悪くなるうえ、通気性・排水性が損なわれる場合があります。お店などで手に取ってみるのも良いでしょう。

⑤安価な土にはご注意を
安定した高品質の培養土を製造するには、原料もそれなりに選び抜いたものが必要です。そのためには、相応のコストがかかるものです。高ければ高いほど良い培養土ということはありませんが、極端に安価なものには注意しましょう。

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