Q&A モミガラについて
お客様からよくお問い合わせいただく内容について、この場をお借りして少しずつお答えしていきたいと考えております。土づくりに関する技術的なご相談は「土の無料相談」からもお問い合わせいただけます。
モミガラの良さ、土づくりに使うメリットは何ですか?
モミガラは良質な堆肥・土壌改良材の原料となります。緩やかな舟形という実にユニークな形状をしており、土壌に空間(気相)を作る能力が非常に高いです。弊社の発酵モミガラ「有機王🄬」を土壌に混和した試験では、バーク堆肥と比較して気相率の向上効果が高いという結果が出ました。
更に、軽量であること、形状が均質で物理性・化学性のばらつきが小さいこと、安価であること、豊富なケイ酸を含んでいることなど、多くの長所をもっています。
モミガラの用途といえば、かつてはリンゴの箱に保温用の素材として詰められたり、暗渠などの排水用資材として使ったり、家畜の敷床にしたりと様々でした。しかし、近年では生産者の高齢化や人手不足など様々な要因から、モミガラの処分は一つの課題となってきました。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正(平成13年4月1日施行)では野焼きの禁止と罰則が盛り込まれ、その傾向は強まったと言えます。とはいえ、コメの生産量の二割(国内では年間約200万トン)はモミガラです。これだけの大量の資源を活用しないのはもったいないと思います。
土づくりの資材として考えた時に、例えばピートモスやバーミキュライトなど天然埋蔵物由来のものは有限だと言えますが、モミガラの場合は違います。なにしろ、毎年膨大な量が生産されているのですから、たいへん頼もしい原料だと言えるでしょう。ホーネンアグリではこのモミガラの潜在能力を最大限に引き出した培養土原料・土壌改良材「有機王🄬」を生産し、多くの農業生産者様や造園の現場などで喜ばれています。
モミガラは農村地帯ではごくありふれた物質ですが、その扱い方ひとつで、宝の山にもなり、ゴミの山にもなります。せっかくの有機資源なのですから、有効に活用したいものです。
モミガラが分解しにくいのは何故ですか?
縄文時代の遺跡からもみがらが発見されたそうですが、モミガラは極めて分解しにくい素材だと言えます。土に混ぜても、腐って無くなるまでに3年~5年、あるいはもっと長い間かかる場合もあります。(このような丈夫な殻が発達した理由には諸説ありますが、病気や虫・害鳥などから中の米を守るためだと言われています。)
さて、モミガラが分解しにくいのは、リグニンと呼ばれる炭素化合物を豊富に含んでいることによります。このリグニンはそれ自体が硬い物質なうえに、細胞壁をつくるセルロースなど近くの物質と結びついてそれを硬く変えてしまう性質があります。さらにモミガラの表面をロウ質のクチクラ層が包み込み、リグニン壁とともに、水や微生物の浸入を阻害する防壁となります。これがモミガラが分解しにくい(腐りにくい)最大の理由です。
モミガラを安心して使用する方法はありますか?
モミガラをそのまま畑作圃場などに投入する方もいるそうですが、生のモミガラには易分解性の有機物も含まれており、土壌中で予期せぬ変化を起こす場合があります。ですから、できるだけ腐熟の程度の良いモミガラ堆肥(発酵モミガラ)をお使いいただきたいです。
ホーネンアグリでは、地域から出されたモミガラと動植物質原料(食品循環資源)をベースに、モミガラの原形を維持しつつ発酵させた「有機王🄬」を製造・販売しています。発酵モミガラには土の透水性・通気性・容積重などを改善する高い土壌改良効果があり、肥料分の補給と土壌の微生物を増加・活性化する効果も期待できます。(土壌改良材製造工場ツアーもご覧ください。)
また、植物質原料を主に使用しているために肥料成分がひかえめで、肥料が溜まりがち(塩類集積が起こりがち)なハウスでも安心してご使用いただけます。有機王🄬は1袋40Lで8kgとたいへん軽量ですので、ハウスの中でも持ち運びやすい、撒きやすいとご好評をいただいております。
生のモミガラ | 発酵モミガラ「有機王🄬」 |