注目度急上昇!「モミライト」とは
軽くて扱いやすい土壌改良材・培養土原料
昨今、異常気象による高温障害などが問題になっていますが、高温障害対策としては良い根づくり・有効作土の確保が非常に重要だと思います。そこで、土づくりに役立つ資材「モミライト」をご紹介したいと思います。モミライトは新潟県産のモミガラと食品工業汚泥を使用し、丁寧に発酵・腐熟させた土壌改良材・培養土原料(汚泥肥料)です。見た目はこげ茶色のモミガラで、(分類はやや異なりますが)モミガラ堆肥と似たようなものとお考え下さい。現物容積重が0.2程度と軽量で、とにかく扱いやすいとご評価いただいています。
モミライトの化学性
モミライトは管理された屋内工場で生産しており、品質管理も厳密に行っています。完成の条件は、「培養土の原料として使える」というかなりハードルの高いもので、土に混ぜたときに急激な変化を起こさない、安心感のある製品になっています。肥料成分もかなりマイルドというか、控えめですので、元肥の設計はそのままで、思い切った量を施用できるのもポイントだと思います。(標準の使用量は10aあたり2,000リットル、40リットル袋で50袋程度です。)じつはこのモミライト、自社のプロ生産者様向けの培養土に原料として1割~4割程度配合することもあり、いかに品質の安定感にこだわりぬいているか、ご想像いただけるかと思います。
モミライトの物理性
「モミガラくん炭とは違うのですか?」というご質問を頂くことが多いですが、粒が崩れやすいくん炭とは異なり、モミライトにはモミガラの難分解性有機物の部分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン、シリカを含む構造)、つまりモミガラの骨格がしっかり残っています。ですから、土壌にすきこんだ際に粒が崩れにくく、比較的長期間にわたって土壌にとどまる傾向にあります。これが土壌物理性改善に非常に効果的で、土をやわらかく、孔隙を増やすことが期待できます。つまり、土が軟らかくフカフカになるということですね。当ブログの記事「土壌物理性のストライクゾーンを狙え! 土壌物理性診断」でも触れましたが、土壌硬度と固相率(土壌中の個体の割合)を適度に下げることで根が張りやすい土壌に近づきます。モミライトは根が張りやすい土壌環境を作り、丈夫な植物を育てることに繋がると考えています。
モミライトの生物性
モミライトは好気的な発酵を十分に行っているので、多くの有用微生物を含んでいます。バチルス菌や放線菌、硝化菌など多様な菌を土壌に補給することも期待できます。ところで、土壌消毒をする圃場だと、土壌消毒の前に施用するのが良いか、後が良いか迷うこともあるようです。基本的には土壌消毒後に入れるほうが、微生物の面で効果的だと考えられます。(土壌消毒でせっかくの有用微生物も死んでしまうからです。)土壌消毒前に入れるのは、硬く締まっている土壌で十分な土壌消毒効果を得るために、少しでも土壌中に孔隙を増やしたい場合に限られるかと思います。
以上のように、モミライトは、安定した品質・化学性、高い土壌物理性改善効果、有用微生物などの特長を備えた土壌改良材・培養土原料です。暑さや様々なストレスに負けない丈夫な植物を育成するために、是非お試しいただきたいです。
株式会社ホーネンアグリ 土壌医 坂野